カラーについて
くるりと巻いたシンプルな花に、すーっとのびやかな茎。その洗練された凛々しい姿は、花嫁を引き立たせる花としてウエディングシーンで長年高い人気を誇っています。また、近年では小ぶりなカラーも増え、ハレの席はもちろんのこと、日常花としても受け入れられるようになりました。ここでは、そんな多面的な魅力をもつカラーについて詳しく紹介します。
カラーの基本データ
英 名|Calla 、Calla lily、Arum lily
和 名|阿蘭陀海芋(オランダカイウ)
学 名|Zantedeschia
分 類|サトイモ科、半耐寒性、多年草
原産地|南アフリカ
花言葉|乙女のしとやかさ、素晴らしい美
出荷期|湿地性 10月半ば~5月半ば
畑地性 通年
【カラーの来歴】
カラーは、1761年に原産国の南アフリカからヨーロッパに持ち込まれ、江戸末期の1843年に日本に渡来したとされています。「カラー」という名前は、ギリシャ語で「美」を意味する「Kallos(カロス)」に由来するという説や、カトリックの修道女が身に纏う服の襟を意味する「collor(カラー)」に似ているからなど諸説あります。和名の阿蘭陀海芋は、オランダ船によって運ばれてきた、サトイモに似た根をもつ花という意味です。
湿地性カラーと畑地性カラー
ひとくちにカラーと言っても、「湿地性」「畑地性」の2つに大きく分類されます。ブライダルブーケでおなじみの品種「ウェディングマーチ」に代表される湿地性カラーは、お米と同じような田んぼで栽培され、花色は白やグリーンが中心。清涼感のあるほのかな香りがあるのも特徴です。一方、畑地性カラーは、水はけのよい土壌で栽培され、赤、ピンク、紫、黄などの鮮やかな色から、赤暗色や茶色といったシックな色まで、様々な表情を楽しめるのが魅力です。
花のつくり
【仏炎苞/ぶつえんほう】
一般に花びらと呼ばれる部分は、仏炎苞といいます。仏炎苞は厳密にいうと花びらではなく、真ん中にある黄色い肉穂花序を保護するために、苞が大型化したものです。仏像の背後に飾られる炎形の光背に似ていることから、その名がつきました。苞の厚さは品種によって異なり、咲くにつれて艶が増す品種もあります。
【肉穂花序/にくすいかじょ】
黄色い棒状の部分が本来の花の部分、肉穂花序です。多肉質な棒のまわりに、小さな花(先端部は雄花、根本は雌花)が密集してついています。
【茎】
茎は太く、内側はやわらかいスポンジ状になっています。茎を優しくしごくと、ゆるやかなカーブをつけることができ、アレンジの際に様々な表情を楽しむことができます。
カラーを長く楽しむための3つのポイント
1.いける前に、茎の下部を切り戻します。
水の吸い上げをよくするために、茎の下部2~3cmのところで切り戻してからいけます。
2. 浅い水でいけ、
こまめに水替えと切り戻しをします。
カラーの茎は柔らかく水中で傷みやすいため、浅い水でいけ、こまめに水替えと切り戻しをすると花が長持ちします。
3. 乾燥に気を付け、涼しい場所に飾ります。
空調や直射日光が強く当たる場所は避けてください。乾
燥を避け、涼しい場所に置くと長く楽しむことができます。
左が湿地性カラーの圃場、右が畑地性カラーの圃場です。